くらし 猫本屋のひとりごと

2月22日は猫の日です

猫の日とは?

最近定着してきた感のある「猫の日」。これはいったいいつ頃、誰によって決められたのでしょうか?

実は「猫の日」というのは世界各国が独自に決めていて、2月22日は日本独自のもの。
共通のものとしては国際動物福祉基金(IFAW)が定めた「世界猫の日」International Cat Day (World Cat Day) というのが8月8日にあります。

ちなみに月ごとで見ていくと、イタリアは2月17日、ロシアは3月1日、デンマーク(ファステラウン)イースターの約40日前、台湾は4月4日、ベルギー(猫祭り)5月9・10日、マレーシア8月1日、アメリカ(黒猫感謝の日)8月17日、中国8月27日、イギリス(全英黒猫の日)10月27日、アメリカ10月29日(肉球?でもないか…)、イタリア(黒猫の日)11月17日など。
細かいものを入れるともう収拾がつかなくなるのでここらへんで止めておきます。

「黒猫の日」が多いのは、多分ヨーロッパの魔女狩りの時代に猫(特に黒猫)が不吉とされていたために、彼らを虐殺した歴史があるからだと思います。
今では大人気のベルギーの猫祭りのいわれを聞いたら、猫好きの方は眉を顰めるはずです。
古代エジプトでは神とされていた猫も中世以降のヨーロッパでは悲惨な目に遭っていますので、その贖罪の意味も込めて猫を大事にしよう、と思ったのかもしれません。


逆にイギリスでは黒猫は幸運のシンボルとされていましたので、これは純粋に黒猫を大事にする記念日だと思われます。
黒猫の歴史や伝承をまとめた本。表紙も美しい
http://wagahaido.com/shopping/archives/8308

 

日本における猫の日事情

日本では1987年に猫の日実行委員会によって「猫の日」が制定されました。
もちろんこの2月22日は「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせの日ですね。
(別に2月2日でもよかったのではないかと思いますが、まあ鳴き声が多い方がインパクトがあったのでしょうか?)

「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日」をモットーに、一般社団法人ペットフード協会と猫好きの文学者や文化人が一緒に作ったのだそうです。
そのため、ヴァレンタインデーのようにちょっと商業ベースに乗せられた感がしないでもないのですが…。

この実行委員の中には去年亡くなった文壇屈指の博覧強記でもあり、「半猫人」とも自称するくらい猫好きだった柳瀬尚紀氏もいます。


柳瀬尚紀さんの『猫文学大全』をお勧めする店長
http://wagahaido.com/shopping/archives/5464

 ちなみにこのペットフードに「民子」というCMがありまして、浅田次郎さんが原作を書いています。
「うう、乗せられた・・・」と思っていてもつい涙してしまう名作です。これは原稿用紙たった1枚に書かれたもので、作家の想像力や力量とはこんなところに出るのだなぁ、と感心してしまいます。
 
民子三部作 https://www.youtube.com/watch?v=UDXMnRkYols

いつ読んでも泣ける『民子』
http://wagahaido.com/shopping/archives/2064

 

いわゆる「猫ブーム」について

猫本屋をしている私が言うのもなんですが、昨今の猫ブームにはちょっと心配な点もあります。

猫の生態や保護活動に対する理解と協力が深まるという利点もある反面、ブームに踊らされて安易に猫を飼い、安易に捨てる人が増えるのではないかという不安をぬぐいきれません。
そもそも本当に猫好きな人はひっそりと昔から猫を可愛がっていて、「猫ブームって今更なに?」という方がほとんどです。

日本における猫ブームは平安時代から繰り返し起こっているものですし、ここ数年の現象はその何度かの焼き直しに過ぎないのです。
古本を扱っている商売柄よく見かけるのですが、1970-80年代に沢山の猫本が出版されています。それが現在に一番近い猫ブームだったのではないかと思います。

よく当店は「今、猫ブームだから猫本屋としては儲かっているでしょう」と言われますが、そんなことはありません。

猫好きはもともと本が好きな方が多く、ブームに踊らされて急に買いだすということもなく、以前と変わらず淡々とお買い物なさいます。
それに見習って、私もこの店を猫の尻尾のように細く長く続けていくよう心がけようと思っています。

『鈴の音が聞こえる 猫の古典文学誌』
http://wagahaido.com/shopping/archives/3649
平安時代の(尋常ではない)猫好きたちの記録が残っています

最後に

個人的には生き物をブームにする風潮には反対です。猫(や犬)を飼いたいのならペットショップで買うより、里親探しの会などで探されてはいかがでしょうか。

現在はネットでも地域別に各団体がサイトを作って里親探しをしています。ほとんどの方がボランティアで活動されていて、その命を救おうとする熱心さには頭が下がります。

​動物好きな人なら血統証付きでなくても、野良だろうが、元野良、捨て猫(犬)でも可愛いはず。
福岡は全国でも殺処分の頭数が多いという不名誉なランク入りをしています。どうしても血統証付きが欲しいなら動物に無理に繁殖をさせていない、信頼できるブリーダーさんに頼むべきだと思っています。

あなたの家族になるのを待っている猫や犬たちがいることを心の片隅に留めておいてください。
もと野良だった当店の店員たちからもお願いです。

猫店長からもお願いです

 
 
◆4周年の開業(2月22日)を祝って、吾輩堂の出張販売をいたします。

期間:2017年2月22日(水)~25日(土)
時間:10-17時(金&土は18時まで)
会場:colon 福岡市城南区別府5-10-15
   http://ameblo.jp/colon-f/

◆吾輩堂開業4周年祭実施中!
ご注文いただいた方にもれなく記念品(梅太お懐紙)を差し上げております。
(数に限りがありますので、売り切れの際はご容赦ください)
http://wagahaido.com/archives/1171

◆書肆吾輩堂サイト http://wagahaido.com/