ホンネ 技ありの人間関係

ウルトラマン飛べ!

大学院に進学するゼミ生に言われた。「1年の時に大学を辞めようと先生に相談した。先生は、“ここで頑張れ。そのうちにここに来た意味が分かる”と確信をもって言われた。今考えるとあの時辞めないでよかったと思う。しかしなぜそんな確信があったのですか」と聞かれた。

そんなことがあったことさえも忘れていた。「ごめんなさいね、そういったとしたらそれは直観だな」ととりあえず応えた。ほとんどの新入生がひっかかることを経験上知っていたからである。

航空機事故のほとんどは「離陸の3分間」と「着陸の8分間」に集中するとされる。そのため、この11分間は「クリティカル・イレブンミニツ(魔の11分間)」と呼ばれる。これは物事の始まりと終わりにも通じる。

人生もそうである。今、私は人生の着陸の危機に遭遇している。ヨタヨタと不安な気持ちで操縦かんを握っている。若い人の遭遇するスタートの危険も同じである。離陸の危機はエンジンの出力をほぼ最大にするためである。新しい環境になり、期待や不安で心はいっぱいになる。そのため、まごつき、面食らい、あたふたしてうろたえるのである。

もう一つの困難は、自動操縦ではなく手作業の操縦になるからである。自動操縦に任せて生きてきて、人によっては初めて手動で操縦しなければならない。今、私も経験しているけれど、これは大変なことである。「みんなが○○するから」の自動操縦や「親任せ・妻任せ」の代行運転で生きてきた場合。初めての自分の心の力が試される事態となる。大学に入学したてもそうであるし、社会人1年生もそうである。結婚もそうである。

異変を感じた時。急ブレーキをかけて止まるべきか、そのまま離陸を続けるかの決断を急がねばならない。滑走路には限りがある、離陸の事故はこの判断の遅さである。辞めるか、そのまま走り続けるか。先行きの見えない不安もある。その判断の決め手は突き詰めれば「愛と勇気」である。どんな結果であっても、これを引き受ける愛と勇気。大丈夫、飛べる。未来を信じて、自分の心のエンジンを信じて「飛べ‼」。僕も次の星に飛ぶから。

4月はウルトラマンの月と命名しよう。