まち・地元 FUKUOKA PEOPLE

藤見里紗さん(「NPO法人マドレボニータ」認定産後セルフケアインストラクター)

男性も女性も幸せになるために
「性はタブー」を打ち破る「性教育」

藤見里紗さん

東京で保健体育教師として高校生に男女平等を教える一方、夫との家事分担に悩む現実に矛盾を抱えていた藤見里紗さん。

出産、離職後に「マドレボニータ」の産後ケア教室に参加し、夫に対する姿勢を見直すように。大学の講義を受けるなど新たな知識を得て、福岡市に移住した4年前から性教育講演を始めました。

藤見さんの講演タイトル「子どもへの性の伝え方」には、ある思いが込められています。

「親の夫婦関係は、一番身近なロールモデルとして子どもに色濃く影響します。性について言葉で伝えるよりも、夫婦がコミュニケーションを取っている姿を見せることが一番の“性教育”だと知ってほしいんです」

特に産後のささいなすれ違いは、夫婦関係の大きな溝になってしまうケースが多いそうです。例えば「今日は忙しかったけど、一生懸命ご飯を作った」と話す妻に「大変なら、今日は作らなくてよかったのに」と言う夫。どちらも相手を思っての言動なのにすれ違いが生じ、解決しないまま関係が悪化してしまう…。講演では時に笑いを交え、親に向けた話も展開されます。

講演の様子。講演では、LGBTや男性らしさ・女性らしさ、性犯罪についてなど、多様な「性」が語られる

藤見さんは自らの経験から学校で学ぶ性教育は病気や望まない妊娠を防ぐ“不幸にならないための性教育”であり、生殖以外の性を肯定し、性的に幸せになる教育はタブー視されていると感じています。

「思春期に好きな人ができてドキドキしたり、新しいことを知ってワクワクする気持ちは親にも経験があるはずなのに、いざわが子がその時期に差しかかると過剰に反応してしまいがち。もっと前向きなこととして、性をとらえてほしいと思います」

今後は「性」と他のテーマをコラボさせて、性に対するこわばりを解いていきたい、と話す藤見さん。昨年8月に福岡市美術館で行われた春画展では、「性×美術」をテーマに連動企画を行いました。

今は今夏出版予定の本の執筆に追われる日々。より多くの人が性的に幸せになるために、活動の場を広げています。

「性」を伝える時に絵本の力を借りる方法も。
ドキドキする親と対照的に子どもたちはすんなりと受け入れることが多い
2人目出産後に始めたジャズダンス。子育てや仕事から離れて自分の体とだけ向き合い没頭できる大切な時間。
マドレボニータ@福岡
http://www.risafujimi.com/
藤見里紗さん
元保健体育教師。出産を機に離職、「NPO法人マドレボニータ」認定産後セルフケアインストラクターに。2012年に「マドレボニータ@福岡」として、バランスボールを使った「産後ケア教室」「子どもへの性の伝え方講座」の実施や講演活動を行う

リビング福岡2017年1月14日号掲載