人脈はつくらない、その意味は。

2016年もすでに8月になりました。
こんなに暑い日が続いているのに数日後の7日にはもう立秋…早い! 時間を大切に使いたいなと改めて感じます。

さて、前回の記事の最後に触れた「ほんとうの仲間」。
仲間も含め人と人の付き合いにはさまざまな立ち位置がありますね。いわゆる人脈について今回は取り上げてみたいと思います。

人脈ってそもそもなに?


「あの人は人脈が広いから」なんて言葉を耳にすることが時々あります。
私の周りにもさまざまなルートでお名前が出てくる起業家がいらっしゃって、顔が広いなと感じることがあります。

知り合いが多い=人脈が広い=デキる人、こんなイメージが何となくあるもの。
真の意味でそういう人ももちろんいますが、起業する(した)人にとって、知り合いが多いことは必要条件ではないと私自身は考えています。

なぜかというと、人脈というのはその字のとおり人と人とのつながりですが、公私に限らず信頼し合える関係にある相手だととらえているから。

つまり何か困ったことが起きた時、利害を考えずに手を差し伸べることができるか。
逆に手を差し伸べてもらえるか。
そういう関係が本当の人脈だと思うのです。

単に名前や顔を知っているだけなら多くの相手が当てはまるでしょう。
しかしそういった人たちはあくまでも「知り合い」であって、人脈とは言いませんし、言えないのではないでしょうか。


人脈がある人は何をしてるの?


日々多くの起業家とお会いする中で、人脈がある人がほぼ100%されている行動があります。
それは本来しなくてもいいことをあえてするということです。

たとえば「こういうことができる人いないかなあ」と聞くと「あ、そういう人知っているから紹介しようか?」と適切な相手をすぐピックアップしてくれたり。
「ここが解決しないんだよね」と相談すると「自分ならこうやってフォローできるよ」と提案してくれたり。

自分のことではないのに労力や時間を割くって、実は面倒なこと。
その労力や時間を自分のビジネスに当てれば少しでも売上が上がるかもしれないのですから。

それでもあえてやる。
相手に何かをしてもらおうというTakeからではなく、相手に何が提供できるかというGiveからまず始まる。

Giveから始める――できそうでできないことですが、だからこそ得るものも大きい。
これは一度体験すると腑に落ちる感覚だと思います。


あなたの「普通」が人脈を広げるベースになる


「Giveから始めるといってもどうしたらいいか分からない」という人も多いでしょう。
もしそう思うなら、得意な分野で小さなGiveを積み重ねていく方法を試してみるのがおすすめです。

得意分野というのは、企画立案やパソコン作業といった実務的なことだけではありません。
福岡県内の地理に詳しいとか、ワインの知識なら負けないとか、一見ビジネスとはつながらないような分野でもOK。

私の実体験ですが、広島の地理をよく知っているという理由で内装会社のA社長からインテリアコーディネートの依頼をいただいたことがありました。

広島の地理をよく知っている

出張時にホテルの情報やアクセス方法などを教えてもらって助かった

福岡から広島にお引越しされるお客様がいる

長菅さんなら引っ越し後の生活環境の話もしてもらえるなあ

お客様にためにもなるからお願いするよ

という流れでした。

まさか福岡に住んでいて広島出身であることがメリットになり仕事につながるとは、私にとっても予想外。
けれど私にとっては広島の地理という何でもない情報が、A社長にとってはネットで調べても得られない貴重な情報だったわけです。

あなたにとってはごく普通の、何でもないようなことが、ある人にとっては貴重な情報やヒントに変わる。

そんな可能性がどこにあるかは分かりません。
だからこそ、日頃から「私はこれについては詳しいからなんでも聞いてね」というスタンス、Giveから始まる意識を持っておくことは大切です。

その小さなGiveがゆっくりと、けれど確実に、成長しながら枝葉を延ばしていく樹のように人のつながりを広げるはず。




人脈とはつくるものではなくできるもの、広げるものではなく広がっていくものだと私は感じています。
ぜひあなたにも、その醍醐味を感じてほしいなと思います。


一般社団法人女性起業家スプラウト 公式HP→http://sprout.gr.jp/

 
長菅由美子さん
住空間設計室 CUBE 代表 。(一社)女性起業家スプラウト代表理事。
2001年に独立し、住空間コンサルタントとして住空間全般のコンサルティング、コラム執筆、セミナー講師など福岡県内外の法人・個人を対象とした多数の案件に携わっている女性建築士。夫の転勤によるゼロからの営業基盤の再構築、約3年の出産育児休業のブランクによるリスタートを経験。現在は仕事と双子育児&家事を両立するべく奮闘中。
(一社)女性起業家スプラウト設立時から参画し、副理事としてさまざまな女性起業支援業務を担当。2015年に代表理事に就任。女性の起業支援にも力を入れている。