くらし 女性の起業あれこれ

本気ならやめよう、起業女子なんて。

3月は卒業や転勤といった切ない別れの季節というイメージがありますね。

私にとっての3月は、今年度の振り返りと来年度の目標やスケジュールを決める1ヶ月です。日々の業務の中でやることですからじっくり時間をかけて…というわけにはいきませんが、何をやろうか、何ができるかと考えるだけでうずうずする時期です。

芽吹きを待つという意味では春らしい過ごし方かも?

さて、今回は女性の起業の傾向として最近気になっていたあることを取り上げたいと思います。
ある程度の経営年数をもつ社長と話す機会が多いのですが、この話題が出るたびに皆さん同じ感覚なのだなと思うので、少しだけ先輩の立場の意見として参考にしてもらえたら。

キーワードは「ジャンル分け」です。



 

起業にジャンル分けがされている?


私が記憶しているのは5~6年ほど前からでしょうか、「ママ起業」「プチ起業」といった言葉があちこちで見られるようになりました。

ちょうど起業ブームが起きていた頃で、こうした言葉もその時にできたようです。

そもそも起業にブームって…という感じがしますが、こうしたいわゆるジャンル分けをすることで起業が身近になったのは確かですね。

女性の働き方を見直そうという社会の流れにもちょうどフィットしたのかもしれません。

しかしどうしても違和感を感じてしまうのはなぜなんだろう…とずっと思っていました。
「ママ起業」「プチ起業」って何なのか?と。



 

起業=起業でしかない


たとえば「ママ起業」。
育児中、特にまだ世話に手がかかる小学生くらいまでの子どもを持つ女性が起業することをさすようです。

結婚はともかく、妊娠出産をして育児をするなら仕事はいったんやめて育児が一段落するまで家庭内に…というこれまでの常識が古臭く感じるこの時代にぴったりな感覚の言葉ではありますね。

育児をしていたって自分の好きなことをしたい。
今までの経験と育児の経験を生かしてオリジナルの仕事をやりたい。
ママでも輝いていたい。

…といったイメージでしょうか。

私自身小学1年生の子どもがいますから、ママ起業…というかもう起業しているので言うならママ経営者になるのでしょうが、自己紹介したり人に紹介していただく際にこうした言い方をしたことは一度もありませんし、しようと思ったこともありません。

なぜならビジネスという公的な場面にママという私的な属性は一切関係ないからです。

どんな人でもいくつかの属性を持っていますよね。
私であれば母親で妻で娘であり、経営者で団体の代表者で建築士でインテリアコーディネーターです。
前者は私的な属性、後者は公的な属性。

しかし基本的には分けて考えていて、シャッフルすることはほぼありません。​

もちろん私の業務でも結婚生活や育児の経験が生かされている部分は大いにあります。
しかし業務の軸はあくまでも設計やコーディネートや講演であって、経験はひとつの要素にすぎません。

お客様から求められているのは「設計やコーディネートができるから」であって、「ママだから」ではないから。

どんな仕事でもそうではないでしょうか。
ワンデイショップのオーナーに対してお客様が最終的に求めているのは
「自分の好みに合った雑貨や衣服を扱っているから」であって「ママだから」ではない。
セミナー講師に対してお客様が最終的に求めているのは「そのテーマにおいて勉強になることを教えてくれるから」であって「ママだから」ではない。

ママというひとつの要素にすぎない部分を前面に押し出すよりも、本業の質を上げるために何をすべきか考えるのがビジネスの本筋です。

プチ起業もしかり。
プチというのが仕事量なのか収入額なのか分かりませんが、どんなに小さくても収入がささやかでも、お客様からお金をいただき商品やサービスを提供するという関係になった時点で立派なビジネスです。

自分のペースでやりたい。
月数万円程度の収入があったらいい。
がつがつ働かず気楽に好きなことでお金をもらいたい。

といった意味なら、それはビジネスというより趣味かなという気がします。
起業しビジネスとなったら必ず責任が伴うわけで、それを避けたいなら起業という言葉を背負う必要がないですから。

起業=起業でしかありません。
その先に続くのは経営という道。
業種の違いはあっても私的な属性によるジャンル分けはいらないのではないでしょうか。



 

本気なら言葉のイメージを大切にしよう


特に個人的に残念だなと思うのが「起業女子」という言葉です。

前述したママ起業やプチ起業も含まれるようですが、自分らしく好きなことを仕事にして輝きたいという女性をさす言葉として広まっているのだとか。

女子という言葉、どんな印象を持ちますか?
若い? はつらつとしている? 前向き?

私が持つのは未熟という印象です。
高校生とか大学生とか、まだ自立していない状態の属性を示す言葉がくっつくように、心身ともに成熟していないまさに女の子をさす言葉だと思っています。

そういう言葉が起業という言葉とくっつくことで、ビジネスがやわらかく身近な存在になったように感じるのかもしれません。
起業しているという状況にやる気が増す効果もあるでしょう。

しかし対外的には、頼りないという印象をもつ人も少なくないと思っていた方がいいです。
これはビジネスをする上ではけっこうなマイナスポイント。もったいないです。

自分らしく生きている。
好きなことを仕事にしている。
そういったことは自分で表現することではなく、相手があなたの提供する商品やサービスから感じ取ることですよね。

言葉でジャンル分けしなくても、持っている知識や経を商品やサービスに反映させることで差別化すればいいのです。
そして堂々と「起業しています」とだけ言えばいい。

その方がずっと本気度が伝わりますし、ビジネスの広がり方も変わります。

せっかく勇気をもって起業するのですから、力を入れるポイントをよく見極めて進めていきたいですね。






 
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