くらし 女性の起業あれこれ

身につけたいではなく身につけよう~ビジネス的マナー~

 少し前になりますが、TVQのニュース番組『ふくおかサテライト』で自宅起業の特集が放送されました。
自宅で教室を運営されている2人の女性が紹介され、私も起業支援者として取材を受け簡単なコメントを出させていただきました。
 
紹介されたうちの1人は私の友人。彼女が地道にこつこつ努力を重ねてきた姿を知っていますし、今後考えている事業展開も陰ながら応援したいなと思っています。
ゼロから立ち上げて小さくスタートしたとしても自分の力で得た信用から少しずつ仕事が広がっていく―起業の醍醐味のひとつですね。
 
ただし彼女の場合もそうですが、どんな形であれ成長曲線を描ける人というのは基本がきちんとできています。たとえばビジネス的マナーもそのひとつ。
 

「ビジネスマナー? そんなのとっくにできているよ」と今思ったあなた。

ビジネスマナーではなくビジネス【的】マナーは身についていますか?
 


 
 

ビジネスマナーは起業したら重要ではない?


正社員であってもパートやアルバイトであっても、企業に雇用された経験がある人なら、一度は挨拶や名刺の渡し方といったビジネスマナーの研修を受けたことがあるのではないでしょうか。
最近は立ち居振る舞いや話し方だけでなく、メールに関するマナーをテーマとした研修もありますね。
 
こうしたビジネスマナーはもちろんですが、起業するとなぜか対応全般がおざなりになってしまう人がいます。
枷が外れるというか、以前はきっときちんとされていただろうことができない、もしくはしないというパターンです。

そんな人にお会いすると「起業=自由と勘違いしているのかな」と感じます。
 
確かに起業するとすべては自分の裁量。
必要なもの不要なものの判断基準は自分です。

事業計画や資金調達やマーケティングなど、起業し経営していくには実に多くの考えなければならない課題がありますから、ビジネスマナーはどんどん優先順位として低くなっていくのかもしれません。
 
けれど、忘れてはいけないのはビジネスは一人ではまずできないということ。

「私は一人で仕事をしているよ」と思うかもしれませんが、あなたが事業を進める上で取引先や資金調達先や顧客が必ず目の前に、もしくはネットの向こうに存在しています。
一人ではありませんよね。
 
そんな相手と円滑に交渉し協力していくために必要なのがビジネスシーンでのマナー。
起業したらあなたは会社の顔なのですから、むしろ与えられた仕事を行う雇用者の時よりもより丁寧に相手と対応する必要があるのです。



 
 

デキる起業家ほどビジネス的マナーを大切にしている


立場上多くの経営者とお会いしますが、その中で感じるのは、取引先や協力業者や顧客から信頼されている起業家ほどビジネス的マナーを重要視しているということです。
 
なぜビジネスマナーではなくビジネス【的】マナーと言っているかというと、スーツを着るだとかお辞儀の角度が何度だとかいう紋切り型のものではなく、相手をどう思っているかという心理的なものをさしているからです。

たとえば…
 
・電話をかけた時に「今お時間いただいても大丈夫ですか?」と相手の都合を確認する
・紹介を受けたらその案件の進捗状況や結果を紹介者にも報告する
・借りたりいただいたものがあればできる範囲でお返しする

 
といったこと。
自分の都合だけで動くのではない、相手のことをきちんと考えていれば自然にできる言動全般をさしています。
 
してもらったらお返しする。
してもらわなくても自分からできることを提案する。
周囲に信頼されている起業家の皆さんは基本的にこのスタンスです。本当に面白いほどこの点は共通しています。

なぜこういう共通点が生まれるのか。
人に支えてもらってビジネスの展開が加速する経験をしているからではないかというのが私なりの答えです。

自分ではアプローチすらできないような人を紹介してもらって販路が広がったり、経験に即した成功方法を教えてもらって売り上げが上がったり、そんな時は人の力の大きさを実感するもの。

ただしそうした力を手にできるのはいわゆる利他的な考えがあり、さらに考えるだけでなく行動に移しているからこそだと思うのです。



 
 

まずは意識することから


たとえばこんなことをした経験はないでしょうか。

・「こういう人いないかなー」「こんな場所知ってる?」と聞いて紹介してもらったがその後の報告をしたことはない
・担当していた業務や役職を終える時に挨拶もなくフェードアウト
・提示された内容がスケジュールなどの都合で対応できない場合にできる方法を提案することなく「できません」としか言わない
 
こういうケース、実際に多いです。
女性はこまやかな心遣いができると言われたりしますが、これらのケースはビジネスシーンでの対応に失敗した経験が男性より少ない女性にむしろ多い気がします。

ただ、慣れていない段階では失敗する可能性は誰にでもありますよね。
もし自分でまずかったと気づいたらそれ以降同じことをしないよう気をつければ大丈夫。
 
問題は、そもそもまずいと気づかない(というか気づけない)ことでしょう。
 
子どもの頃とは違って、大人、特にビジネスの世界では基本的に「それはこう直した方がいいんじゃない?」と言ってはもらえません。
プロ同士として自分も相手もうまくいく方法をとるのは当然の世界。
「ああ、この人はそういう考えがない人なんだな」と思ったら、口には出さずそっと距離を置かれるだけです。

 仕事相手が固定されずいつも変わったり、取引先との契約が更新されないことが多いなら、仕事のスキルや契約条件だけでなく自身のビジネス的マナーの良し悪しについても一度振り返っておきたいですね。
 
何かをしてもらった時、それを当然と思うのではなく自然に感謝できるか。
「してもらったのだから今度は私がこうしてあげよう」と自発的に考えて実際に行動できるか。
 
起業家にはこうした協業的スタンスが必須で、それを表現し相手に伝える手段のひとつがビジネス的マナーだと私は思っています。
ささやかではありますが日々意識することで得られるものは大きいとも思っています。

まずは意識することから始めてみてくださいね。


 

 
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