くらし 猫本屋のひとりごと

猫のお仕事(前編)

「猫のお仕事って可愛いことでしょう?」
そうですね、猫好きな方なら誰でもそう思うでしょう。でも猫は可愛いとか、人間の癒しになる以外にもちゃんと働いているんです。

そんな猫たちを2回にわたってご紹介してみましょう。

ウィスキーキャット 

ウィスキー工場で抜群の働きを見せたのはウィスキーキャットと呼ばれる猫たちです。

ウィスキーの原料となる大麦を狙うネズミを退治するため、醸造所では昔から猫たちが活躍してきました。

中でもスコットランド最古の「グレンタレット」で働いた「タウザー」は24歳(1963~87年)と長寿メス猫で、その生涯で推定28,899匹のネズミを捕まえて、「世界一ネズミを獲った猫」としてギネスブックにも掲載された名物猫です。

なぜ数がはっきりしているかというと、獲ったネズミをちゃんと工場の人に見せに来たから・・・。なんという賢い猫でしょう。

ちなみに現在では衛生的な製造方法に切り替わり、ネズミ獲りの必要はなくなったため、グレンタレットにいる猫たちはマスコットとして観光客に愛想を振りまいているそうです。

アメリカでは、ケンタッキー州のバーボン工場(ウッドフォードリザーブ蒸溜所)に20年にもわたって「イライジャ」が君臨していたそうです。
ギネス記録を持つ在りし日のタウザーと、
彼女を称えて死後作られた銅像
『ウィスキー・キャット』

https://wagahaido.com/shopping/archives/2452
 

 郵便局員猫

19世紀のイギリスでは郵便局で働く猫もいました。郵便物がネズミに食い荒らされるのを防ぐためにちゃんと雇われた猫です。

首には「H.M.P.O.C(女王陛下直属郵便局員ねこ)」のメダルをぶら下げていたそうですよ。また猫に対する支給を計上することが公認され、郵便局長は定期的に「猫の能率簿」をつけていたとか。
 
『郵便局員ねこ』働きもののクレアちゃんのお話です。
挿絵も素敵。

 船乗り猫

昔から船乗りは、航海中大切な食糧を守ってもらうために猫を同船させることがありました。そういえば奈良時代、中国から日本に猫(唐猫)が渡ってきたのは仏教の経典を守るためでしたね。

近代では海軍に雇われ、きちんと階級を貰った猫もいました。
第二次世界大戦中(1949年)、イギリス海軍でネズミ獲りおよび人間の士気を高めた、ということで「サイモン」は猫として唯一、戦争で活躍した動物に与えられるディッキン・メダルを授与されています。

海外ではそういう話はよく聞くのですが、旧日本海軍ではどうだったのでしょう? 

日本では江戸時代にオスの三毛猫を船に乗せると遭難しないという縁起かつぎがあり、オスの三毛猫は非常に珍しいため高値で取引されていました。

昭和の時代だと南極観測隊の船で昭和基地まで渡った「タケシ」というオスの三毛猫が記録に残っています。
映画「南極物語」にもなったタロとジロと一緒に南極に行った唯一の猫ですが、あまり一般的には知られていないようですね。
タロ・ジロ以外の樺太犬は可哀想に亡くなってしまいましたが、タケシは無事帰国して隊員の家に引き取られたそうです。(残念ながらその後家出して行方知れずになったとか)
1957年第1次南極地域観測隊と共に南極に渡った珍しい三毛猫のタケシ
https://wagahaido.com/shopping/archives/11670
 

 警察猫

警察で働く猫もいます。ロンドン警視庁警察犬訓練センターの最終試験官はなんと野良猫ミンストレル。ずらりと並んだジャーマンシェパードの前をゆうゆうと歩く彼女に吠えたり、追いかけたり、動揺しなければ警察犬として合格なのだそうです・・・。イギリス流のジョークではないかと思うのですが、実に楽しい試験ですね。

警察犬の熱い視線を浴びながら悠々と闊歩するミンストレル
 

駅長猫

現代の日本ではなんといっても日本初の駅長猫「たま」が有名ですね。
彼女のおかげで廃線寸前だった和歌山電鐵貴志川線は経営を持ち直すどころか、全国から観光客が押し寄せる名物路線となりました。たまが「ネコノミクス」の起爆剤となったという説もあります。たまはスーパー駅長からウルトラ駅長、のちには和歌山電鐵社長代理と順調に昇進し、2015年に没した折には社葬がしめやかに営まれました。
在りし日のたま駅長。写真は貴志川線HPより
http://www.kishigawasennavi.com/course/course04/
猫のお仕事の他、猫にまつわるいろいろなニュースが詰まっています
『ニュースになったネコ』
https://wagahaido.com/shopping/archives/5017
他にもまだまだ素晴らしい働きをしている猫たちがいます。また後編でお会いしましょう!