まち ふむふむ福岡 芸術メモ

韓国の“肝っ玉母ちゃん”

福岡アジア美術館の学芸員ならではの目線で綴る、福岡とアジアの芸術に関するミニ知識

 

イ・ユニョプ(韓国) 《テチュリ婦人会長さん》 2006年
福岡アジア美術館所蔵

米軍ヘリコプターの上には、米釜を頭に乗せたアジュンマ(韓国語でおばさんの意味)が踏ん張りながら立っています。このアジュンマは駐韓米軍基地の移設が決まった先の京畿道平澤(キョンギド ピョンテク)市テチュリ村の婦人会長で、基地移設に反対する村人たちに、毎日ご飯を食べさせていたそうです。

黒く不明瞭な米軍ヘリコプターの上に、際立つ存在感で描かれている婦人会長。この対比から、村民に寄り添う姿勢の作者イ・ユニョプの意思が感じ取れます。

学芸員が所蔵作品1点を選び深掘りする「あじび研究所」で、6月25日(火)まで展示しています。

趙純恵さん(福岡アジア美術館学芸員)
「本と漫画が好き。最近はアジア旅行に関する漫画やエッセイを読みふけりながら次の企画の妄想を膨らませています」

http://faam.city.fukuoka.lg.jp/

リビング福岡2019年5月10日号掲載 ※情報は掲載時点のものです