“博多の仙厓さん”に思いをはせて

福岡市美術館の学芸員ならではの目線で綴る、福岡とアートに関するミニ知識
仙厓義梵 凧あげ図

大博通りの路地を1本入ると、都会の喧噪(けんそう)とは打って変わって歴史ある神社仏閣が連なる静かな町並みが広がります。

その中でも特に目を引くのが、日本で最初の禅寺「聖福寺」です。この聖福寺の住職を務めた仙厓義梵(せんがいぎぼん、1750~1837)の書画は、福岡市美術館の収蔵品の目玉の1つ。お坊さんの作品と聞くとなんだか難しそう…と思われるでしょうが、天真らんまんな心持ちをそのまま表したような仙厓の絵には、思わず頬をゆるめてしまいます。

88歳で亡くなるまで、こうした温かな絵を描き続け、「博多の仙厓さん」として今なお親しまれています。10月7日は仙厓さんの命日。古い町並みとともに、ありし日に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

宮田太樹さん(福岡市美術館学芸員)
専門は日本美術史。福岡市美術館では、中近世絵画を中心に古美術作品を担当。

福岡市美術館HP
http://www.fukuoka-art-museum.jp/

リビング福岡2018年10月6日号掲載 ※情報は掲載時点のものです