幻となった、博多の絞り染め

福岡市博物館の学芸員ならではの目線で綴る、歴史や郷土などに関するミニ知識

江戸時代の博多の名産品に、紅の絞り染めがありました。幕末には博多絞りが江戸で流行し、明治時代になるとその生産量はピークに達します。

木綿の軽やかな肌触りは浴衣(ゆかた)の素材として最適で、紅や紫も用いるなどした特色ある図柄は、多くの人に愛用されたようです。しかし戦争を境に、生産者が急速に減少し、ついに博多での絞り生産は終焉(えん)を迎えました。その名が広く知られているにもかかわらず、今に残る数が極めて少ない博多絞りを、企画展「筑前絞り・再発見」(10/14まで開催中)で展示しています。

松村利規さん(民俗担当学芸員)
人びとの“たのしみ、よろこび、しあわせのかたち”を探し求めて幾年月。それがなかなか難しい。

福岡市博物館
http://museum.city.fukuoka.jp/

リビング福岡2018年8月25日号掲載 ※情報は掲載時点のものです