ワタシの本音 技ありの人間関係

来年は “ごサイぎょうの女”

高齢化社会。家庭における介護関係は深刻である。特に認知症のハンディを抱えた場合、大変である。先日テレビで放映された男性は、認知症の妻の介護に自分のままならぬ感情を何とか抑えようと張り紙をしていた。そこには「カッとするな。怒鳴るな。叩くな。死ぬな。殺すな。耐えよ。男じゃないか」。

この介護関係から生じる苦悩を改善する魔法のような技術が、近頃テレビや新聞で取り上げられる「ユマニチュード」である。認知症の人をお世話するフランス生まれの技術である。150以上の言葉や身振り目線などの幸せな関係性(絆)を築く具体的な手法で成り立っている。入門書を読んだ。書かれている内容は認知症の人だけでなく、幼児をはじめ広く一般の対人関係にも使える。

そこで先日、2日間のユマニチュード研修に参加してきた。まず自分で体験してみて感心したのは、「私はあなたのことを大切に思っています」というメッセージにあふれていることである。ユマニチュードでは、「ケアの準備」として「『あなたに会いに来た。一緒に楽しい時間を過ごしたい』をきちんと伝え、ケアの合意をとるまでは決して具体的なケアの話をしない」となっている。これはすぐに「入浴してね」と言わないということである。

「今日も会えて嬉しい」と目を見て身体に触れながら笑顔とことばで伝えることで攻撃的な行動が7割減少すると言われた。「見る・話す・触る・立つ」ことが、「人間性を認める」ことだと分かった。

確かに私たちは存在を認めないものは、「見ない・話さない・触らない」。「人間性を認め合わない世界」にあるのは恐怖と不信。認知症の人がときに人が変わったようになるのは、「認められてないと感じる」からである。それを変えるのはこちら側のコミュニケーションの取り方である。

さらに感心したのは、寝たきりに絶対させない「立つ」を大事にする点である。1日合計20分「立つ」を実行すれば寝たきりにならないと習った。

私は学生に「悪いことは“見ザル・言わザル・聞かザル”の3猿。良いことは“見なサイ・言いなサイ・聞きなサイ”の3サイ」と言ってきた。これにユマニチュードの「触れなサイ・立たせなサイ」が加わり、合計で「5サイ」になる。

そういえば、以前そんな名前の映画があったっけ。