アーティスティックなコースを五感で楽しむ~【西中洲】SHIBU nishinakasuさん~

2018年10月、西中洲の隠れ家ビルの5FにオープンされたSHIBU nishinakasuさん。
今回は試食会にご招待いただきました。

こららでは、おまかせの30種からなるコース料理(8,000円 税・サ別)のみを提供されています。
少量のポーション、多皿の構成からなる、「世界一予約の取れないレストラン」といわれる、スペインのエル・ブジ(2011年に閉店)を思い出しました。


まず店内に入ると、小松 孝英さんの雄雄しくも繊細な絵画が出迎えてくれます。


銀杏の一枚板のテーブルにセッティングされた器や調味料、そのひとつひとつが美しい。


当日のメニューです。
月替わりで28~30種類のお料理が提供されます。
メニューを読んでいるだけでワクワク度MAX。


まずは25種類のお塩の中から5種類を選ぶと言う「お塩選び」からスタートです。
日本はもちろん、キプロス、ボリビア、ペルー、ベトナム、パキスタン、イスラエルなど様々な国と地域のお塩が勢ぞろい。
エンターテインメント感たっぷり。


選んだお塩はシートにマークされ、向かって左から若い番号順に並べられます。
お塩をつけるお料理は提供時にシェフが教えてくださるとのことで、ちょっとおあずけ。

では、これから一気に30種のお料理をご紹介します。


【地飼い熊本鶏のクロケット】
砕いた柿の種の衣の中にはクリーミーなフィリング。
外はザクッと、中はトロッと、対比する食感が楽しめます。


【究極のレバーパテ】
普通のレバーパテを想像して食べると頭に「?」マークが浮かぶ事、間違いなし。
究極のという名の下に作られたレバーペースト。
これはぜひご自身で食べて確かめてみてください。


【糸島野菜のモザイク】
蒸す、焼く、煮る、10種類のお野菜それぞれに合った調理法。
丁寧に手をかけられたお野菜が美しく並べられて、やっと完成です。
一口で食べて、噛むごとに味の変化を楽しむもよし、お野菜をバラバラにして、1種類ずつをじっくりと楽しむもよし。
シェフの遊び心が満載の一品。


【スモークに包まれたチーズとうずらの卵】
料理名通りにスモークに包まれてやってきました。
目の前でオープン。



スモークの香りと共に登場するのはカマンベールとうずらの卵。
プレゼンテーションの素晴らしさに脱帽です。


【極上香り豊かな熊本大阿蘇鶏のコンソメスープ】
まずはひきたてのコンソメスープをシェフがキッチンから運んでお鍋ごと見せてくださいます。


ひきたてのコンソメスープは深い味わいで、のどを通っても、その香りがまた鼻に抜けて広がります。
飲んだ後にも美味しさの余韻が残るマジックさながら。


【糸島サラダ】
エディブルフラワーが飾られたチュイールをパリッと割ると中には糸島産のお野菜が。
出汁がきいた黒酢のドレッシングと相性バッチリです。


【地飼い熊本鶏の低温調理 マスタード柚子胡椒】
60度で1時間の低温調理でゆっくりと火入れをされた鶏の胸肉はしっとりやわらか。
大粒のマスタードと柚子胡椒のコンビネーションはパンチが強すぎるのではと思いましたが、胸肉の旨みをぐっと引き立て、まさかのベストマッチ。


【肩肉のラグー 温泉たまごのせ】
卓袱(しっぽく)料理の東坡肉(トンポーロウ)を思わせる味付けですが、そこはSHIBU流。
温泉たまごと絡めてちょうど良いお味に仕上がっています。


【球体に閉じ込めれた野菜のピュレ】
ゼリー状の球体の中にはかぼちゃのピューレを閉じ込める。
またエルブジのシグニチャーともいえる料理法のひとつだとふと思い出しました。
シェフが今は色々な料理法があるので、表現方法の選択肢が広がると仰っていたのですが、プロの技術がないとその表現方法も選べません。


【お口直しの大根おろし 源次郎左衛門の醤油『あやめ』】
きめ細かくすりおろされた大根に大分県日田市で作られた源次郎左衛門のあやめをトロッとひとさし。
日本人で良かったと感じる瞬間です。


さて、ここからは鶏料理に入ります。
美しく並べられた部位はもはや新鮮そのもの。
まずは【はかた一番どり朝引きプロシェット 4種】からスタートです。


【ねぎま】
しっかり焼き上げられたねぎと旨みが凝縮した鶏もも肉のコンビネーションは最強です。


【ささみ】
レアに仕上げられたささみは驚きのやわらかさ。
焼き物には好みでお塩をつけてくださいとのことなので、やっとお塩たちの登場です。
口の中に入れると、ささみと塩がわさびと共にすっとほどけていきます。


【皮】
脂の旨みを楽しめるように焼きが計算された皮。
一口噛むとたれの風味と脂の旨みが口いっぱいに広がります。


【手羽先】
骨をとって、丁寧に処理された手羽先はフォルムもかわいい。
パリッと焼かれた皮めの香ばしさがたまりません。


【SHIBU特製つくね、砂肝、せせり】
ここからは【はかた一番どりブッセ 9種】になります。
まずは、不思議な形のつくねとコリッと食感の砂肝、ぷりぷりのせせりです。
なんとつくねは網脂で包んであり、一口噛めば肉汁がじゅわっと染み出てきます。
まさに焼き鳥界の小籠包。


【レバー、ボンジリ、ハラミ】
レアに仕上げられたレバーと脂の旨みが一番感じられるボンジリ。
希少部位のハラミは独特の食感が楽しめます。


【ハツ、そり、ふりそで】
なかなかお目にかかることができないそりとふりそで。
そりは1羽から2個しかとれない、ももの付け根の骨盤の内側にある部位で弾力がある食感が特徴的です。
ふりそでは肩肉とも呼ばれ、筋肉質な部位なので食べ応えがあります。
ベストな焼きが入れられたハツはプリプリの美味しさ。


【大葉のグラニテ】
お口直しのグラニテは大葉の鮮やかな緑が美しい。
爽やかな香りが口の中をリフレッシュしてくれます。


【なめらかロワイヤル 白トリュフ塩を添えて】
出来たてのロワイヤルの上で黒トリュフを削って、そのままオン。
トリュフの香りがパッと広がるライブ感たっぷりのパフォーマンスです。


【茄子、きのこ、蕪、安納芋】
ここからは【糸島野菜 4種】になります。
それぞれの素材の美味しさを最大限に引き出す焼きが入れられています。
すべて焼き物かと思いきや、安納芋だけはさっと揚げてありました。
カリッとした食感とねっとりしとした美味しさも計算済みです。


【ガトーショコラとアイスクリーム】
実はメニューの裏に書いてある、その名の通りの「裏メニュー」というものがありまして。
5種の〆の一品と2種のこだわりデザートが記載されていますが、今回はシェフのサービスでガトーショコラとアイスクリームをいただきました。
添えられたレモンパウダーがアイスクリームを一気にレモンバニラフレーバーに変えてくれます。


【いりえ茶園 無農薬ほうじ茶】
無農薬のお茶を作り続けて35年のいりえ茶園さん。
日本で始めて、EU残留農薬基準に適合し、放射性物質検査もされています。
香ばしい香りとすっきりとした飲み口でコースの最後を飾るのに相応しいほうじ茶です。


【ペアリングメニュー】
美味しいお料理には美味しい飲み物を、ということで、ペアリングをお願いすることも出来ます。
実はこのペアリングメニューのセレクターはミシュランの星を世界一持つ料理人ジョエル・ロブション氏を父に持ち、ワインインポーターとして活躍するルイ・ロブション氏。
スタートはシャンパン→白→赤→ロゼとすすんで、最後は…

日本酒!
栃木の蔵元、仙禽(せんきん)の亀の尾です。
九州ではなかなかお目にかかれないラインアップもルイ・ロブション氏ならでは。

SHIBU nishinakasu
福岡県福岡市中央区西中洲5-17 AER西中洲5F-B
TEL: 092-715-1570

30種からなるコースを食べ終えた感想は「やっぱり料理はアートであり、科学だ」ということ。
SHIBU nishinakasuさんのお陰で再認識する事が出来ました。

お二人のシェフの素晴らしいセンスとスタッフの方のきめ細やかで洗練されたサービス。
特別な日に特別な人と訪れたい空間です。

地域レポーター foodstylist hanacoさん
フードスタイリストとしてメニュー開発、フードライター、料理講師など幅広く活動しています。食関係の通訳、翻訳、英語講師と英語のお仕事も少々。のほほんな1児の母です。

情報は2018年11月30日時点