第2回 出産に関する健康保険の給付金にはどんなものがあるの?

Q.出産に関する健康保険の給付金にはどのようなものがありますか?

A.「出産育児一時金」、「出産手当金」2つの給付金があります。


「出産育児一時金」とは、加入者のみなさまのご出産の際に、お子さまお1人につき原則42万円が健康保険より支払われる給付金です。以前は出産費用の全額を医療機関にお支払いいただいた後に「出産育児一時金」をご請求いただく方法が一般的でしたが、平成21年10月に「直接支払制度」が創設され、以降はこの制度をご利用いただくことが一般的となりました。直接支払制度とは健康保険が医療機関に出産育児一時金(上限42万円)を支払い、加入者のみなさまにはご退院時に42万円を超えた差額分をお支払いただく制度のことで、これにより出産費用としてまとまった額を事前にご用意いただく必要がなくなりました(図1)。
なお、ご請求金額が42万円未満の場合は、後日その差額分をご加入の健康保険にご請求いただくことができます(図2)。

「出産手当金」は働いている被保険者が受けられるもの

次に「出産手当金」とは、被保険者ご本人が出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に生活費の補償として一定期間、月給のおおむね2/3が健康保険から支払われる給付金です。請求可能期間は出産予定日以前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)と出産日の翌日から56日間ですが、出産予定日より出産が遅れた場合はその日数分が加算されます。

退職後も給付を受けられる場合があります

ところでこの出産手当金に関して、2つの条件を満たしていればご退職後も給付を受けられることをご存じですか?
①被保険者としての健康保険加入期間が継続して1年以上(1)あること
②退職日にすでに受給中である、または支給を受けることができる状態(2)であること

※1公務員等が加入する共済保険や自営業者等が加入する国民健康保険、またご退職後等に加入する任意継続の加入期間は被保険者期間として通算されません
※2具体的には「退職日当日が出産手当金の請求可能期間内である」かつ「退職日当日に仕事を休んでいる」ことを指します 



つまり1年以上継続して勤務し産休中(出産手当金請求可能期間中)にご退職された場合、もしくは1年以上継続して勤務し、出産予定日の42日前以降の出産手当金請求可能期間内の退職でかつ退職日に勤務していなければご退職後も出産手当金を受け取ることができます。

なお今回のお話はあくまで「協会けんぽ」の例であり、ご加入の健康保険によっては給付金にさらに上乗せして支払われる独自の給付制度が設けられている場合や手続き方法等が異なる場合があります。詳しくはご加入の健康保険にお問い合わせください。
回答者:全国健康保険協会 谷 美佐さん
全国健康保険協会とは、中小企業等で働く従業員やその家族が加入している健康保険(旧政府管掌健康保険)を運営する団体です。同協会が運営する健康保険の愛称を「協会けんぽ」と言います。
詳しくはこちらから https://www.kyoukaikenpo.or.jp/