驚きの投票率!スウェーデンの総選挙に行ってきました

暑い暑いと言っていた夏も過ぎ去ってしまえばあっという間に感じる今日この頃、空気はぐっと秋になって、地下鉄の広告にもこんなものが登場しました。
 
嫌な歌だな
KRYというスマートフォンアプリの広告。これは近年登場した、「病院に行かなくてもお医者さんに診断してもらえるサービス」のアプリです。医者にかかるのがとにかく大変なスウェーデン、お薬だけでも処方してほしいよ~という人にはもってこいのこのサービス。ビデオ通話でお医者さんと話して症状を説明し、患部をビデオで見せたりして診断してもらうもの。深刻な病気には向きませんが、「診断書がほしい!」「処方箋がほしい!」というときにはすぐ出してもらえるので便利なのですが、この広告の左側にある文章、これうちの子の保育園でもよく歌われる歌の替え歌です(笑)

咳がここに、熱もここに。シラミもいるなんて楽しいじゃない?そして今日私たちのチームにはインフルエンザも!病児休暇もここにいるなんて楽しいよね

嫌な歌だな!!

ほんとの歌だと、マリアがここに、オスカルがここに。リサもいるなんて~と、その場にいる子供や先生たちの名前を入れていくのですが、その代わりにこれからの季節の病気たちの名前がずらり。
とまぁこれからの季節、子供もバンバン風邪になるからアプリでドクターに診てもらいましょうという広告です。
まぁ、携帯画面ごしに診てもらうだけで大丈夫なのかな~という不安はありますが、咳止めを処方してほしい!なんてときには便利ですね。
 

スウェーデン、話題の総選挙


さて、夏の終わりの総決算というわけではありませんがここひと月ほどスウェーデンは総選挙の話題で持ちきりでした!4年に1度のこの選挙。前回私は初めて投票したので、今回は2度目。永住権を持っていると外国人でも県とコミューン(市議会みたいな)への投票権をもらえます。
毎回選挙では80%以上の投票率を誇るスウェーデン(今回は87.18%)ですが、投票当日まで「盛り上がってるな~」と思うことが多々ありました。

まず、街中の主要な場所にはvalstuga(ヴァールストゥーガ)と呼ばれる簡易小屋が建てられ、各政党から派遣された人々が道行く人に投票を呼びかけたり、質問に答えたりします。私がよく見かけたのは、小学生が学校の校外学習で各政党の小屋を訪れて質問をしているところ。こうやって各政党の特色をつかんだ後、学校で模擬選挙をするそうです。小さいころから政治への関心を養っているんですね!
ショッピングセンターの広場に設置された政党の小屋
写真に写っているのはスウェーデンの与党社会民主党、それから野党のフェミニスト党。コーヒーや粗品がもらえたりするので足を止める人がちらほら(笑)

もっと選挙を楽しんで!


選挙前になるとテレビでは党首討論も頻繁に行われます。翌朝の新聞もその話題が1面だったりして、社会の関心の高さが伺えます。そういえばかなり昔、まだスウェーデンの首相が前のラインフェルト氏だったころ、「もしラインフェルトが彼氏だったら」というツイッターアカウントがあって、それを運営していたのが若い女子だったので少し話題になりました。「もっといろんな世代に政治に興味をもってもらいたい」と彼女はインタビューで話していましたが、インターネット世代っぽいな~。

若い子、と言えば投票日前日の夕方、社会民主党の青年部の若者たち(見た感じ高校生くらい)が、投票の呼びかけのために我が家を訪ねてきました。もううちは夫婦とも事前投票を済ませていたので、「もう投票しちゃったよ~」と言って帰ってもらったのですが、ほんと若い世代から政治活動をさかんにしている国です。地下鉄の駅で無料でもらえる「Metro(メトロ)」という新聞がありますが、今回の選挙で最年少の国会議員はスウェーデン民主党(Sveroges demokraterna)の22歳女性、最年長は自由党(Liberalerna)の85歳の女性。どちらも女性
22歳の頃って私、何をしてましたっけねぇ…。

忙しいなんて言わせないよ~


さて、スウェーデンのこの高い投票率を支えてるのはなんといっても便利な事前投票システムだと思います!!ストックホルムだけでもおよそ70箇所の事前投票所があり、選挙日のおよそ20日前から事前投票をすることができます。市内のどこでも投票ができる上に、行動範囲に一つは投票所があるくらいに学校・図書館・ショッピングセンターなど様々なところがカバーされているので、当日混み合うであろう地元の投票所に行くよりはと事前投票をする人もたくさん。
私はストックホルム中央駅のバスターミナルで投票しましたし、夫は近くの図書館で事前投票をしました。しかし夫が投票したのが投票日前の金曜日だったので、同じことを考える人々でなかなかの列が(笑)
ビフォー
 
アフター

当日はもっと列ができていたことでしょう。双子を連れて列に並ぶなんてぞっとするので、事前投票をしておいて本当によかった!

投票所には各政党の名前が書いてある紙があり、それぞれの紙には党からの立候補者がリストで載っています。それが国・県・コミューンと3種類色違いで用意してあり、投票所でもらえる封筒3つにそれぞれ1枚ずつ投票したい政党の紙を入れ、封をします。封筒の一部には穴が開いていて、そこから覗く色をみて正しいところに投票しているか(私の場合、投票できるのは県とコミューンだけ)を投票所の人がチェックして終わりです。
薄暗い投票用の個室(笑)

投票用紙は、どれを取るかでどこに投票するかわかってしまうので、それを知られたくない人は全部の政党の紙を取るそうなのですが、私はそんなことも考えつかずに普通に自分が投票する政党の紙だけを取ってしまいました(笑)
今回は各政党の主張をじっくり読む余裕がなかったので、「valkompassen(ヴァールコンパッセン/選挙指針)」というネットのサービスを利用しました。色々な新聞社が提供しているのですが、選挙の争点について「とても賛成」だの「反対」だの選んでいけば、私に合った政党をお勧めしてくれるという優れもの。そこで政党を絞って、その政党のマニフェストだけ読んで投票先を決めました。

スウェーデンの選挙が便利なところ、もう1つ!自宅に届く、いわゆる「投票所入場券」をなくしてもインターネットで再発行手続きができるうえ、なんなら入場券がなくても身分証があれば投票所で発行してもらえるところ!!
これのおかげで、仕事の昼休みに投票してこようと思ったけど、はがき忘れたわ~!なんてときでも投票できるわけです。スウェーデンでは住民にpersonnummerという日本でいうマイナンバーが与えられており、この番号で色んなデータが管理されているためこのような対応が可能になっています。ちなみに冒頭で紹介したお医者さんアプリの処方箋も、このpersonnummerに対して発行されるため、どこの薬局でもペーパーレス処方箋データを共有しており、お薬を処方してもらうことができます。

さて、選挙の結果は?


日本でも報道されたようですが、今回の選挙で社会民主党の第1政党ポジションは変わらず。第2党が穏健党、そして第3党のスウェーデン民主党が一気に議席を増やしてそれが話題になりました。
均衡。

社会民主党は議席が過半数に達していないのでどこかの政党と連立を組むのが現実的ですが、第3政党のスウェーデン民主党(通称SD)はネオナチに流れをくむといわれる極右政党。ここと連立をくむ政党は今のところ現れないでしょうね~。
人種差別主義者、ネオナチなどと言われるSDですが、これだけ議席を伸ばしているということはスウェーデン国内でも移民・難民への不満がたまっているということで、私もこれはウカウカしてらんないな~!とちょっと心配です。私なんかは「いざとなったら福岡に帰るし~」と思ってるとこもあるので「ちょっと心配」程度ですが、命からがらスウェーデンまで逃げてきた人はそれどころじゃないですよね。

この右傾化はスウェーデンだけではなく、アメリカでもヨーロッパでも懸念されていることですが、半分アジア人であるうちの双子が大きくなった時も、住みやすい国でありますようにと願うばかりです。
 

 

名前:有希(ゆうき)
2011年に福岡からスウェーデン・ストックホルムへ移住した福岡女子(アラフォー)。
2016年に女の子と男の子の双子を出産しました。北欧でオロオロ育児をしている毎日をお届けします!よろしくお願いします(*´ω`)
★インスタグラムは「courage1222」★