日本で習った英語はなんだった!? スウェーデンでイチから英語やりなおし

福岡から北欧のスウェーデン・ストックホルムへ移住。双子の子育て奮闘中の福岡女子・有希さんが、海外育児のあれこれや日々の出来事をつづるコラム「福岡女子、北欧で双子を育てる」
 
12月も半ばに差し掛かろうかという頃、1つ通っていたコースを修了しました。その名も「Engelska5(エンゲルスカ フェム/English5)」。スウェーデンの高校一年生が習う英語と同じレベルのコースです。私はスウェーデンの高校生ではないので、KOMVUX(コムヴックス)という成人教育のコースとしてこの英語を履修しました。ありがたいことに成人教育のコースは無料! 私が以前通っていた、「第二言語としてのスウェーデン語」もこの成人教育の一部です。

なぜアラフォーになって英語のコース…?

私はごく普通の高校を出て地元の大学に進学し、地元で入力事務の仕事につくという地味~な経歴なのですが、もちろん高校でも大学でも英語の単位を取得しています。

スウェーデンに移住する前に、高校から卒業証明書、そして大学から学位証明、成績証明書をもらってスウェーデンの職安のような組織に提出しました。そうすると、その単位がスウェーデンだとどれに当たるのか、という変換をしてもらえるのです。その結果、高校三年間、そして大学の一般教養で取得した英語の単位がゼロに(笑)
「ゼロなんて!!」

職安から書類が送付されてきたときは思わず笑ってしまいました。イギリスで大学に行った友達も英語の単位がスウェーデンで認められなかった(大学で「英語」という授業を取っていないので)と聞いていましたが、周りの日本人に聞いてみたところ、軒並みみんな英語の単位はゼロと判定されたみたい。日本の英語教育がゼロってこと…?

スウェーデンで普通に生きるのに英語の単位は必要ないのですが、ほぼフリーターのような生活をしている私としては将来は定職につきたい!! スウェーデンでコネもキャリアもない外国人が仕事を得るには、もう一度大学や専門学校に行き直すのが正道なのです…。日本でも何とか大学を卒業した身としてはまた大学生を、しかも日本と違って卒業までが大変そう(勉強も言葉も)なスウェーデンでやり直すのは勘弁なのですが、それしか方法がないなら仕方ない。

まだまだ進路は決めていないものの、どの学校に行くにも募集要項で英語は必須のところが多いので、では時間のある今のうちに英語を取っておこう!という思い付きだったのでした。

Engelskaは7まであるのですが、大体の学校が6までの単位があれば進学できるそうなのでとりあえずめざすは6。レベルテストを受けると、大体自分がどのコースから始めればいいかを教えてもらえます。私は6から始めていいという許可をもらったものの、学校というものが久々すぎて5から始めることにしました。

ストックホルムの成人教育のシステム

まずは始めたい学期(私の場合は9月からの秋学期)に間に合うように出願します。この出願は全てKOMUXのホームページからできるので便利。私はストックホルムコミューン(区)に住んでいるので、ストックホルム内の学校だったらどこでも出願できます。

学校によって、授業が午前中のもの、午後のもの、夜のもの、またはディスタンスと呼ばれる家でパソコンを使って学習するものと色々コースが揃っていて、長さも10週だったり12週だったり。場所もそれぞれなので、自分が通いやすいコースを検索して出願するのです。私は家から地下鉄一本で行ける学校の午前中のコースにしました。家で勉強できるのは便利ですが、語学はやっぱり人と会ったほうが私には合っている気がします。

通っていた学校には独自の校内ウェブが構築されており、課題の提出や先生からの連絡はすべてウェブ上で行われます。クラスメイトの中にはこの使い方がわからず四苦八苦している人もいました。私はスウェーデン語でも同じ学校に通っていたので何となく使い方を覚えていましたが、初めての人には確かに使いにくいかも。

コース開始数週間前にコースの案内状が来て、それに書かれている初日のミーティングから10週間の授業が始まりました。私のクラスの生徒はおよそ30人。人数は多いものの、来たり来なかったりで常連メンバーとは何となく連帯感が生まれてきます(笑)私はなんと子供が熱を出して家でみていた1日を除いて皆勤賞でした!
最初のミーティングは数学・化学のコースと合同


コースの割と最初の方で中間試験、最後にナショナルテスト(国家試験)が行われます。これは国内共通試験だそうで、試験問題も何年か使いまわしているのかな?リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4つの単元で成績がつけられます。スウェーデンの成績は、AからFまであり、Aが優、Fが不可。A~Eだと合格です。どうせコースを修了するならなるべくいい成績で、と思ったのですがそうは問屋が卸しませんでした…。
成績評価の説明をする先生

スウェーデンの成績は絶対評価。クラスで上位○人がA、とかではなく、Skolverket(スコールヴェルケット)という教育庁のようなところが成績判断について基準を設けており、それに沿って評価がなされます。Aというのは採点する先生の甘さにもよりますが、まさにトップ中のトップ! 成人教育なら「君はなぜわざわざこのコースをとったのか」というほど優秀!

4つの単元があると書きましたが、最終成績でAを取るためには全てでAを取る必要があります。例えば他の単元が全部Aでも、リスニングがDだったら最終成績はDになってしまうという恐ろしいシステム。A、C、Eがそれぞれターニングポイントとも言える成績で、Aを取るには全単元A、Cを取るためには全部C以上、とハードルが設定されているのです。これに引っかかった私は、ライティングに足を引っ張られて散々な成績でした…。
ライティングテストはパソコンで
 

そりゃあ日本での単位はゼロになりますよね


私が取ったのは、スウェーデンの高校1年生が1年間かける内容を10週間、週2日午前中2時間半の授業で駆け抜けるという成人教育コース。リハビリに英語を5から~なんて余裕をぶっこいていましたが、後半は仕事&子供が風邪ひいて保育園登園NG期間もあり、結構ひーひー言いながらこなしました。

日本と違うなぁというのが、もちろん授業は全て英語。課題図書も若者向けの英語の本。3冊候補があったうち、私はDavid LevithanのEverydayを読みましたが、同じ本を読んだ生徒で先生がグループを作り、ディスカッションをするというのがスピーキングテストでした。そしてこれ以外にも授業中にディスカッションをする機会がたくさんありました。

教科書(意外と高かった)のチャプターを毎回読んできて、次の授業で話し合ったりするのですが、人種差別やいじめ、貧困などの社会問題を盛り込んだ今っぽい教科書。ライティングで書かされるテーマも結構社会派で、スウェーデン人が政治に対する興味を強く持っているのはやっぱり若いころからの教育のおかげだな~と実感しました。
課題図書(左)と意外と高かった教科書(右)

ライティング自体も、英語がうまければいいというわけではなく起承転結&構成などの「国語力」が問われるのが難しいところ。スウェーデン語のコースのときも苦労したのですが、日本の高校で「国語」で習った小論文とは全く求められることが違っているので、私がこのライティングをマスターするには集中コースなんかに行かないとだめかもしれない…。

日本の高校1年の授業と違うのが、「英語を理解しているもの」との前提で授業が進んでいくところ。なので、英語とまったく違う言語の国から来た人々はかなり苦労すると思います。福岡に住んでいた時に、夫が通っていた語学学校にはなぜかスウェーデン人が結構いたのですがみんな10代なのに英語がペラペラで驚いたことを思い出します。でも「僕は英語が苦手だから」なんて言うんですよね。へっ。

とってもスウェーデンなゆるさ


コースの途中で先生が自分の子供の秋休みに合わせてお休みになっちゃったり、なぜか手ぶらでくる生徒がいたり(めっちゃ怒られてました。スウェーデンで先生が怒るのも珍しいけど)、クラスがとにかく多国籍で刺激をたくさん受けた10週間。
テスト用のPCが金庫に入っているのが衝撃

「ライティングの時に、内容に自信がないからと言ってとにかく文字数を埋めようとダラダラ書かない!」と言われてハッとしてみたり、教科書の中に「ROTC」という略語が出てきて、何かと思って辞書をひいたら「予備役将校訓練団」という日常生活ではおよそ知ることのできない単語だったりしてなかなか楽しく過ごせました。

この5の国家試験の前に次の冬学期の申し込み期限があり、1月からのEngelska6に申し込んでいたので、この5を無事修了できて一安心です。次の6は、今回よりいい成績を取れるといいな~5より6の方が難しいんだけど
名前:有希(ゆうき)
2011年に福岡からスウェーデン・ストックホルムへ移住した福岡女子(アラフォー)。
2016年に女の子と男の子の双子を出産しました。北欧でオロオロ育児をしている毎日をお届けします!よろしくお願いします(*´ω`)
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