まち 前原歩帖、糸島を行く

前原歩帖、糸島を行く/第6話「年の初めは福井白山神社へ、福井神楽を見にいこう」

糸島市二丈福井にある白山神社では、新年早々、福井神楽が奉納されます。

福井神楽は、『古事記』『日本書紀』に記された天岩戸開(あまのいわとびらき)の神話を演じる岩戸神楽です。白山神社には神楽殿があり、神楽を境内から見ることができます。元旦と春(5月の第2日曜日)の年2回、神楽が奉納されています。

元旦は年が明けて間もない0時15分から執り行われます。前原歩帖撮影班は、2018年元旦に福井神楽を取材しました。その模様をお伝えしていきます。

まずは駐車場ですが、この日は白山神社から500Mほどのところにある、福井研修センター(産直「福ふくの里」裏側)が臨時駐車場になります。ここに車を停めて、夜道をトコトコ歩いて神社へ向かいます。参拝される方の人通りがあるので、暗くても道筋はわかります。

まずは、神社で新年のお参りをしましょう。参拝のあとは、神楽殿の前で待ちます。傍らでは焚火に薪がくべられています。待っている間に、カメラの設定や立ち位置をチェック。

さあ、そろそろ始まります。
まずは宮司による挨拶と、福井神楽がどのような神楽なのか説明がありました。
これは神楽素人の筆者にもわかりやすい。
なるほど。なるほど。
挨拶の後、太鼓と能管が奏でられ、いよいよ神楽が始まります。
一礼の後、神楽師が舞台に上がります。
 


まずは演目【先駈(みさき)】

八百万の神々は何でも宿り、いつも民の善悪を見ています。そして、先駈が神主に向かって言います。「お前は神棚ばかり参って、どうして万物に神が宿っていると、民に教えないのか!」神主役と鬼の掛け合いが見ものです。神主役の長セリフが見せ場。
 


演目【素戔嗚(スサノオ)】

素戔嗚の悪戯で、姉の天照大御神は岩戸に隠れてしまいました。岩戸を開くため、東南西北の方角の指揮をとらせる風・火・金・水の四鬼を従え、八百万の神たちを招集します。
素戔嗚がグッと腰を据えて舞う姿の美しさには、目を見張ります。


続いて【火鬼(かっき)】

素戔嗚に仕える鬼神の1人。切っても射られてもびくともしない。神通力で敵を滅ぼし、素戔嗚を守り、日本の天皇に譲位させようと荒ぶります。舞の最後に稲穂を会場に投げるので、家に持ち帰り、1年の豊作、家内安全を祈願してください。

稲穂は一人占めせず、他の人にも分けてあげてくださいね。勢いよく稲束を振り回す様に、鬼の激しさを感じます。


お次は【金鬼(きんき)】

同じく素戔嗚に仕える鬼神の1人。火鬼と同様、1人ひとつずつの神通力を持っていて、素戔嗚を守ります。
前の火鬼と入れ替わる様も、それはそれは恰好がよく、携えた刀をギラリと振る姿に冷やりとします。


【鈿目之尊(うずめのみこと)】

唯一の女神。天照大御神が岩戸に隠れ、世の中が真っ暗になってしまい、大御神(長老)たちが会議でああだこうだと揉めだします。そこに上半身裸に太いたすきをかけ、心を和めようと舞いつとめ、長老たちは見とれてしまいます。ちょっとコロコロとした体格の鈿目の舞に、場も和みます。


クライマックスは【手力王之尊(たぢからおうのみこと)】

鈿女と交代して舞台に出てきます。

長老に呼び出された力持ちの神、手力王。長老たちがいるときは、いつも天照大御神はお顔をお出しになるのに・・・。顔を拝見するため舞を披露し、持ち前の怪力で岩戸を開けようと、激しく動き回ります。

岩戸をこじ開けようと、凄まじい動きです。

とうとう岩戸が開き、天照大御神が出てこられました。
新年が明け、これにて神楽はお仕舞。


神楽を地元の子どもらが、じいっと見つめていました。
いつの日かこの舞台に立ち、里神楽を守り続けて欲しいと思いました。
 
福井神楽を守り続ける人たちは、農家、団体職員、公務員などさまざま。それぞれが忙しい中、自分の用事に都合をつけて、この日のために練習を重ねます。無形の文化財は一度途絶えてしまうと、容易に復活させることができません。地域で継承されてきた行事を未来に繋いでいく関係者の意志に、頭が下がる思いでした。


さて、2019年元旦、時は0時15分。
あなたも、二丈福井の白山神社で奉納される福井神楽を見て、五穀豊穣、家内安全、無病息災を願いませんか?

 
前原歩帖
筑前前原駅から歩ける範囲に、宿場とレトロと今が織り交ざる街・前原。そんな街で、思わず寄り道したくなる情報を緩やかに発信します。
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