まち・地元 巻きリョーシカの考古女子日記

巻きリョーシカの考古女子日記⑦ ~土器って難しい。の巻 ~

こんにちは!考古大好き、巻きリョーシカです。
唐突ですが、土器、作ったことありますか?「考古大好き」と言いながら、実はわたしは土器づくりの経験が無いのです。博物館や資料館でいろんな土器や甕棺を見るたびに「上手だなー」と思いつつ、一方で、「シンプルな形だし、やり方さえわかれば、わりと簡単に作れるんじゃない?」と思っていました。思って、いました・・・そう、あの日までは。

というわけで先日、「きゅーはく女子考古部」で土器づくりにチャレンジ!!

土器名人あらわる!

今回は、小郡市埋蔵文化財調査センターにおじゃましました。そしてなんと、「土器名人」こと、熊本博物館の清田さんが講義に来てくださいました。
講師の清田さん。抱えているのは自作の土器自作の土器を持参して、作り方や特徴を丁寧にわかりやすく説明してくれました。さすが名人。土器を語る眼差しは、実に優しく真摯です。


そして名人のお話を聞きながらも、わたしは「あんなに上手に凝ったものはできなくても、それなりには作れそうだなー」とたかをくくっていました。ああ。もしできることならば、あの日に戻って、余裕しゃくしゃく、のんきに構えている私に「目を覚ませ!!そんなに土器は甘くないぞ!」と言ってやりたい気分です。

 

無心に土器と向き合う


まずは土に砂を混ぜてしっかりこねるところから! 


こねた後は、いよいよ形を作ります。底になる部分をまずつくり、あとは棒状に伸ばした粘土をぐるりと一段ずつ積み上げながら、形を作っていきます。
女子考古部の特徴ですが、最初は楽しげな笑い声やおしゃべりが聞こえてくるものの、没頭し始めるとみんな無言で黙々と作業に取り組みます。その姿はまるで、自分の中にある古代とじっと向き合っているかのよう。


思い思いに、古代風の土器を作る人。


小物を大量生産に入る人。


小郡で出土した、ニワトリ型の土器にチャレンジする人。

オリジナリティを追求する人。

さらには、火炎式土器を目指し始める人。


それぞれ個性が出ています。思い通りの土器を作ろうと追求するあまり、女子考古部員のみんなが、講師の清田さんを「師匠ここはどうすれば!」「名人!アドバイスを!!」と、熱のこもった呼び方を始めるほどです。
 

なぜ、上に伸びず横に広がるのか・・・

私はと言えば、「壺を作ってみよう!」と底部分を大きめに作り、ひたすら棒状の粘土を巻き上げていきました。イメージでは、「くまのプーさん」が小脇に抱えているような、深型の壺です。「上手にできたら、野の花なんか飾ったりして。古代の野性味あふれるフラワーアレンジ、いいわー」などと妄想を膨らませながら、ひたすら粘土を棒状に伸ばし、黙々と積んでいきます。

・・・が! ここで問題が。

積み上げた粘土がどんどん外側に崩れていって、ひしゃげた洗面器みたいになっていきます。何度も内側に寄せようとするのに、ちょっと目を離したすきに「ふにゃ~」と外に崩れて途方に暮れるわたし。

困り果てた私のそばを通り過ぎた師匠は「ううむ」とうなり、おもむろに私の作りかけの土器を棒でたたいたりした後、




「これはちょっと中断して、外で乾かしましょう」と一言。

かくして、私の「ひしゃげた洗面器型土器」は日当たりの良いところでポツンと乾いて硬さを増すのを待つことに。なんだかちょっと寂しげな面持ち・・・
待っている間あまりにも手持無沙汰なので、古墳型の箸置きを作ってみたり、


「馬に乗った人ハニワ」風のものを作ってみたり、


すっかり本来の目的を見失いそうになりつつ、それでも暇で周囲を見渡すと何やら完成度が異様に高いテーブルを発見。そう。考古学のプロチームのテーブルです。


女子考古部員が四苦八苦して、初めての土器づくりと格闘しているそばで、無心になって自分好みの土器をつくりあげ、不敵な笑みを浮かべる考古学のプロチーム。大人げない・・・もとい、悔しいけど、やっぱり上手です。


 

土笛も作ってみた!

そしてこの日は、同じ土を使って「土笛」作りにもチャレンジ。前もって作り方を調べたり、吹けるように練習してきてくれた部員がその成果を披露してくれました。


土笛って、フクロウの鳴き声のような、なんとも奥行きのある心地よい音がするんですよ。



素朴な作りですが、穴の開け方や角度のつけ方で音が驚くほど異なります。古代人にもきっと上手下手があったり、スゴイ技術を持った「土笛界のマエストロ」のような人がいたんだろうなーと、なんだか妄想が広がりますね。

さて。できあがったのは、、個性豊かで、見ているだけでも楽しい土器ばかり。今回は1ヶ月ほど乾燥させてから焼くという本格的な方法で作るので、今日のところはこれで終了。


私の壺も無事に出来上がりました。終わりの方は、ほぼ師匠の手によるもの。「ううむ」「ううむ」と(主に師匠が)悪戦苦闘しながら、なんとか形になりました。壺を作るつもりだったのに、やたらとデカいサラダボウルになってしまいましたが、ちゃんとできあがってよかったです。ありがとうございます!師匠!!

おまけ/どんぐりはおやつに含まれます


ちなみにこの日のおやつは、どんぐりでした。「マテバシイ」「スダジイ」などのどんぐりは、灰汁抜きをしなくてもそのまま食べることが出来ます。もちろん炒っても◎。カシューナッツのような、固い栗のような感じで、十分おやつとして楽しめましたよ。


土器をつくり、どんぐりをかじり、貫頭衣を身にまとい・・・古代人へ寄り添うスピードがどんどん増している、女子考古部の面々。そのうち竪穴式住居とかつくったりして。





​リビング福岡編集部・巻きリョーシカ。子どものころからの古代ファンで、好きな古墳は、岩戸山古墳(八女)、新原・奴山古墳群(福津)、大将軍山古墳(対馬)、カッパドキア(トルコ)。