まち FUKUOKA PEOPLE

杉山紘一郎さん(リノベーションミュージアム冷泉荘管理人)

今、福岡で注目の人にインタビュー。今回は話題のリノベーションビル管理人

“古さ”を“価値”に!
フル稼働で築100年を迎えたい

杉山紘一郎さん

◆今年で築60年、国内外から注目を集める冷泉荘

上川端商店街のほど近く。かつて高級アパートとして憧れを集めた鉄筋5階建てのコンクリートビルは、2006年に再生プロジェクトを開始。「リノベーションミュージアム冷泉荘」として、古い建物にリノベーションで息を吹き込み、アトリエやギャラリー、オフィスなど多彩な入居者が集まるビルへと変貌を遂げました。

2015年には、第25回福岡市都市景観賞を受賞。その独自の活動で、国内外から注目を集めています。

「建物が古いと価値が下がるのではなく、アンティークのように“古さ”を一つの価値にしたい。冷泉荘をその象徴として、広く知らせていくのが僕の役割です」と話すのは、同ビルの管理人を務める杉山紘一郎さん。通常の管理人業務の傍ら、広報活動にも力を入れています。

◆「街に開かれた場所」として

今年で管理人歴9年目の杉山さん。「僕を間に挟めば冷泉荘のどこでもアクセスできる」という立ち位置を意識し、個性的な入居者同士を緩やかにつなぐ“媒介者”として、今や無くてはならない存在です。

また近年では「街に開かれた場所として、アートやサブカルチャーの発信源になれたら」と、ビル1階のレンタルスペース運営にも注力。イベントや演劇公演なども数多く実施しています。

「できるだけ長くこのプロジェクトを続けるため、多くの人に楽しんでもらうという意味での“観光地化”を進めたい。興味はあるけど入りづらいという人は、ビル内を自由に散策できる“れいぜん荘ピクニック”に足を運んだり、気軽にビル1階の管理人室を訪ねてもらえたら嬉しいです。目標はフル稼働で築100年。そのためにも、常に新しい風が吹くような場所にしたいですね」と将来への思いを話してくれました。

部屋見学や手作り作家の作品が並ぶ「れいぜん荘ピクニック&あおぞら市」の様子。次回は6月2日
風が弦を響かせて音を奏でる「エオリアンハープ」。雅楽の楽器「笙」のような神秘的な音色

■リノベーションミュージアム冷泉荘
福岡市博多区上川端町9-35
http://www.reizensou.com/
杉山紘一郎さん
九州大学芸術工学府で音響設計を学び、楽器「エオリアンハ―プ」に関する研究で博士号を取得。2010年4月、(株)スペースRデザインが運営する「リノベーションミュージアム冷泉荘」管理人に就任。今年で9年目を迎える。

リビング福岡2018年5月26日号掲載