まち FUKUOKA PEOPLE

大橋 日出男さん(介護付き旅行専門NPOの代表)

今、福岡で注目の人にインタビュー。今回は介護付き旅行専門NPOの代表

ちょっとサポートすれば行けるのに
原点は“もどかしさとやるせなさ”

大橋 日出男さん
障がいや病気で旅行や外出が難しい人たちを、看護師や理学療法士がサポートするNPO法人代表の大橋日出男さん。自身も看護師としてのキャリアをもつ大橋さんがこの仕事に取り組む理由は、病院勤務を通して味わった“もどかしさとやるせなさ”にありました。

◆“今なら行けるのに!”

「病院勤務時代。末期がんの患者さんが最後の家族旅行や外出がしたくても、それをサポートする業者が見つかりませんでした。病状が進むなかでも、“このタイミングなら専門スタッフが同行すれば行けるのに!”という辛さを、何度も味わったんです」と大橋さん。

そんな矢先、神戸で介護旅行を手掛ける会社の情報を入手。すぐに話を聞きに行った大橋さんに惜しみなくノウハウを伝授してくれたことが追い風となり、独立を決心しました。

以来、孫の結婚式や念願のコンサート、ショッピング、夫婦の思い出の場所やお墓参りなどさまざまな旅をサポート。職員のほかにも、思いを同じくする医療・介護従事者のボランティアが増えてきました。
介護旅行の様子

◆誰もが当たり前に出かけられるように

介護旅行はすべてがいわゆる“特注旅行”で、たとえば半身まひが右か左かでトイレや浴室の快適な手すり位置が異なるなど、入念なリサーチが欠かせません。

今年はそのリサーチ力を生かして、「車いす利用者おでかけマップ」を福岡市と協働で作成(HPでも公開中)。介護旅行のコツに関するリーフレットの無料配布や講演会など、旅の可能性を広げる活動にも積極的に取り組み中です。

「目指すのは、介護が必要になっても誰もが当たり前に出かけられる世界。同業者が全国に増えてほしいし、病気や障がいがあっても出かけるイメージを持ってほしい。そのためにも情報発信や仲間作りを進めたいです」と話してくれました。

緊張感のある会議が終わり、オフィス近くの「ノベルカフェ リリー」でちょっと一息ついて飲むコーヒー

■NPO法人あすも特注旅行班
 http://asumo.fukuoka.jp/

大橋 日出男さん
九州大学医療技術短期大学部看護学科(現医学部保健学科)卒業。同大学病院に15年間勤務し、精神科、循環器内科、呼吸器消化器外科で患者のケアを担当。2013年3月退職。同年11月「NPO法人あすも特注旅行班」の代表理事に就任