まち・地元 FUKUOKA PEOPLE

大久保京さん(猫本専門書店「書肆(しょし) 吾輩堂」店主)

「誰もやったことのないことをしよう!」
猫本専門書店で“ネコミュニケーション”

大久保京さん

旅行会社、美術館の学芸員、アート系のNPO法人の企画の仕事を経て、2013年の「猫の日」(2月22日)、猫が登場する書籍を集めたインターネット書店を始めた大久保京さん(福岡市在住)。

ホームページ上の一つ一つの商品説明や本の感想は猫への愛にあふれていて、猫好きならずとも読みふけってしまいます。

「仕事は好きでしたが、遠方への通勤が辛くなってきて…。じゃあ福岡で何ができるだろうと思った時に、誰もやったことのないことをしよう!と始めました。

お店のロゴにも使った浮世絵の歌川国芳、夏目漱石をはじめ、猫に関する本は結構多いんです。初めて猫を飼った時から、猫のいる生活は当たり前。猫専門の本屋さんがあったらいいのに、とずっと思っていたので」と大久保さん。

翌年には、“構想20年”という開店までの過程や奮闘の日々、猫好きの人々との交流、愛する猫本のことなどを綴った「猫本屋、はじめました」(洋泉社)を出版。猫好きの本好き同士、お客さんとの交流も濃密のようです。

「ネットはお客さんの顔が見えないので、どうなるかと思っていたのですが、お礼状のほかにもお客さんが飼っている猫の写真を送ってもらったり、こんな猫を拾いましたという報告が来たりして面白いです。小学校の校内で子猫を保護したことをきっかけで猫好きになり、職員室に“猫文庫”を作った小学校の校長先生も(笑)」

国内外で買い付けた古書から新本、国内外の雑貨、オリジナルグッズと、店主の審美眼にかなった商品は続々と増加中。「オリジナルグッズは九州の作家さんとコラボしています。猫好きの作家さんとモノを作ることは楽しく、嬉しいこと。“よく見たら猫がいる”といった、主張しすぎない大人の雑貨を作っていきたいです」

今は、実店舗を開こうと物件探しをしているそう。「家の中に本が山積みで部屋がつぶれているので、もっともっと本を増やせる仕事場兼店舗が欲しい。猫店長がいてコタツがあって…」と夢は広がります。
やっぱり猫。“猫店員”のチーチーくん(黒)とチロちゃん(サバトラ)。

福岡在住の画家・田中千智さんとのコラボ「猫づくしカレンダー」(1700円)。
センスが光るホームページ
「書肆 吾輩堂」
http://wagahaido.com/
http://www.facebook.com/wagahaido
大久保京さん
猫本専門書店「書肆(しょし) 吾輩堂」店主。夫、息子(高2)、娘(中3)と猫4匹家族。抱いているのは“2代目店長”もじゃくん。下からのぞいている子猫は初代店長を亡くした翌月、小説家・原田マハさんの紹介で京都から来た“新入猫店員”飛梅太くん。

リビング福岡2016年12月3日号掲載