まち・地元 FUKUOKA PEOPLE

ウェバー・ダグラスさん(糸島市在住のデザインエンジニア)

世界的企業を離れて目指すのは
自分の手でゼロから始めるモノづくり

ウェバー・ダグラスさん

今や多くの人が使っている、アップル社のスマートフォンやタブレット。その黎明期からデザインエンジニアとして最前線で携わってきたウェバー・ダグラスさんは、日本国内の中小企業をめぐり、眠っている技術などを発掘するスペシャリスト集団を率いていました。

しかし、2014年。ダグラスさんは同社を退職。手掛けた商品が世界的なヒットを続ける中、社内でも一目置かれる“特別なチーム”というポジションからも離れて、福岡に定住することを決めたのです。

現在は福岡市内に暮らし、退職と同時に立ち上げた「カマキリワークショップ」でiPhone(アイフォン)のネジ穴を利用して取り付けるストラップや革製品を製作・販売。
ダグラスさんが手掛けたストラップ「HITCH(ヒッチ)」は取り付け部分にも注目。ホームページ (http://kamakiriworkshop.com/)でも購入可能


また「コーヒー好きが高じて」と作った別会社「Lyn Weber(リンウェバー)」(www.lynweber.com/japan/)では、コーヒー豆を挽くこだわりのグラインダーを白紙からデザイン・設計・製造し、世界中のカフェからオーダーが舞い込みます。

「自分の手でものを生み出す人を、一番尊敬します」とダグラスさん。「アップルの仕事は面白かったし、環境にも恵まれていました。でも、人生を何に尽くすのか?と考えた時、“自分の想い”を込めたもの、ずっと使い続けられるものを、自分のペースで作っていこうと思ったんです」と話します。

そんな彼と福岡との出会いは15年前、九州大学に留学した時のこと。「脈打つような福岡の街のエネルギーと、心地よい自然に包まれた田舎とのバランスが絶妙。空港が近く、アジアや世界へフットワーク軽く動けるのも魅力的です。なかでも、一目ぼれしたのが糸島でした」と話すとおり、来年から念願かなって糸島市に拠点を移すことが決まっています。

「家族と暮らしながらものづくりに没頭したり、自宅の畑や温室で野菜や果物も作りたい。将来的に、世界で活躍する友人たちも近くに呼んで、地域に役立つ取り組みにも力を入れたいですね」と話してくれました。新たなチャレンジは、まだ始まったばかりです。

福岡市から日向峠を越えて糸島へ向かう途中。「木々のにおいと広い空。僕の未来に続いている、と力が湧きます」「機械を解体して組み立て直す、そんな子どもでした」というダグラスさん。自社製品の部品を愛しそうに眺める表情が印象的

ウェバー・ダグラスさん
アメリカ・カリフォルニア州出身、福岡在住。スタンフォード大学卒業後、2002年にApple社に入社。デザインエンジニアとしてiPodとiPhoneに中心的に携わり、2014年に独立。日本で「KAMAKIRI WORKSHOP(カマキリワークショップ)」を設立。
 Instagram @lynweber @kamakiri_workshop


 

リビング福岡2016年11月5日号掲載