まち・地元 FUKUOKA PEOPLE

鶴田紗恵さん(競技かるた第61期クイーン)

最後の1枚を取り合う「運命戦」を制し、
競技かるた新クイーンに

鶴田紗恵さん

“畳の上の格闘技”と評され、目にもとまらぬ速さで「小倉百人一首」の札を取り合う競技かるた。

マンガや映画の題材にもなり、にわかに注目を集めるこの世界で、今年1月、日本一を決める競技会を制し、30年ぶりに福岡から新クイーンが誕生しました。それが、九州大学4年生の鶴田紗恵さん。

競技かるたとの出会いは、筑紫女学園高校時代。「新しいことに挑戦したい」と選んだ「百人一首部」で、「やればやるだけ強くなる面白さ」に魅せられ、3年時には競技かるた最高ランクのA級で優勝するほどの実力に。とはいえ、大学入学後に目指し始めたクイーンへの道は、平坦ではありませんでした。

「自分よりも格上の選手と対戦し、圧倒的な差で負けたときの無力感。競技かるたにはプロがない分だけ、それを乗り越えられないと続けられない。すぐには結果が出ないからこそ、地道にやるしかない。自分に楽をしようと思った時点で負ける。どんな時でも“自分と向き合う”ことは、この競技から教わった気がします」

競技かるたは、「小倉百人一首かるた」を自分の陣地と敵の陣地に25枚ずつ並べ、自陣の札がゼロになった方が勝ち。上の句が読まれた瞬間に、札が飛ぶ

たゆまぬトレーニングで記憶力だけでなく集中力、瞬発力、精神力、体力を鍛えるさまはまさしくアスリート。しかしトレーニングだけでなく、何の札が読まれるか等、競技かるたは運も大きく左右します。

「“かるたの神様”がいると私たちは言っているんですが、普段から神様に選んでもらえるように、神様に恥ずかしくないだけの準備をしておく。競技以外でも、ちょっとしたことを丁寧に、徳の高い人間でいたいと心掛けています」

今回の勝利に気を抜くことなく、「誰もが認めるクイーンになりたい」と話す鶴田さん。彼女のこれからにも注目です。  

10月の西日本予選、11月の挑戦者決定戦を経ての優勝。「やっと終わったとほっとしました」
クイーン戦に向け、友人たちが寄せ書き。「クイーンになりたい、という気持ちを強くしました」
1日1個は食べるくらい、アイスクリームが大好き。片手で食べられる「クーリッシュ」は、時間のない大会中は食事代わりにもしていたそう。
鶴田紗恵さん
競技かるた第61期クイーン。九州かるた協会所属。九州大学4年生、今春からは大学院に進学。選手として活躍する傍ら、母校・筑紫女学園高の百人一首部のコーチとして後輩の指導にも励んでいる。

リビング福岡2017年2月11日号掲載