落語で感じる季節の香り【長月】

こんにちは、福岡市在住のアマチュア落語家 粗忽家勘心(そこつやかんしん)です。
 
あまりの暑さにボーッとしてしまい、1ヶ月とばしてしまいました。
どーもすみません。
「暑くて忘れちまうなんて落語らしいや」と笑ってお許し下さいませ。
 
さて、
僕がこのブログを書かせていただくことになったのは、リビング福岡のとある美人編集者さんとの出会いがきっかけなのであります。
彼女との出会いはもう4、5年も前になるでしょうか。
 
「落語のことで話を聴かせて下さい」という取材でお会いしたのが最初です。
 
「落語の持つコミュニケーション力について話を聞かせて下さい」という取材でした。
「はいはい、お易い御用で」と請け負ったものの、「落語のコミュニケーション力」なんて僕は全く考えたことがない、というのが本音でした。

だって、古典落語というずいぶん昔から存在するものを単に覚えて喋っているだけ、と思っていたのですから。「台本を覚えてセリフを言う役者さんと同じ、コミュニケーションなんて関係無い」と。
 
だから当時の彼女の質問で、
「落語をやる様になって他人との会話力がついたという実感は?」
「特にありませんねぇ」
「でも他人との意思疎通がスムーズになったり?」
「いや、それも特にはないですねぇ」
「日常の会話に落語の効果が?」
「すみません、一切ございません」…という取材に終始しました。ごめんなさい。
でもそれをなんとか記事にするんですから、プロってのはスゴイなぁ…と思いましたね。
 
ところがこの2、3年、彼女が言ってた「落語の持つコミュニケーション力」というものを日常でひしひしとしみじみと感じる様になってきたのです。
 
僕は「アマチュア落語家」というだけではもちろん食べていけませんのでね、ちょっと他の仕事もしているのですが、
それは、
・外国人と話す(日本語で)
・初対面の人と話す。 
というケースが多い(というか全部そう)のです。
で、その仕事でも会話に一切困らないことに気づいたのです。会話に困らないどころか、充分な意思疎通が可能。

でも、それを同じ職場の人に言うと「え?」と驚かれる。
難しいらしいです、彼らは、コミュニケーションをとるのが。
ふ~ん、そうなのか…。
まぁ、外国の人だし、初対面の人達だし、普通に考えたら難しいだろうな、コミュニケーション。
 
で、その時思ったのは、落語は(というか物語は全部だけど)
・起承転結がはっきりしている。
・さらに落語は全て「会話」で成り立っている。
・さらにさらに登場人物をしっかり演じ分ける。
・さらにさらにさらに落語を聞いてもらうためにマクラをふる。
  (※マクラについては後日)
そういう演芸をほぼ毎日一生懸命やっているんだから、自然にコミュニケーションをとれる様になっているんでしょうなぁ。
 
と、そんなことを古い友人と話していたら、
「実は俺が働いている業界は、周りとうまくコミュニケーションをとれずに悩んで辞めていく若い社員が多い。今の若い子は頭が良いのにそれで辞めてしまうなんてもったいない、ついてはうちの会社でコミュニケーションについて講演してくれないか」という急展開。

へい、わかりやしたやりましょう!お任せ下さい!

でも、講演するとなるともう少し落語のコミュニケーション力を細かく分析しなければなりません。で、そういう視点で落語のことをあれこれ考えていると、真っ先に頭に浮かんだのが「井戸の茶碗」という大ネタ。

 
実は僕は今、この「井戸の茶碗」が大好きなんです。
聴いても楽しいし、自分でやってても面白い。お客さんにも大いに満足していただける話。
 
「井戸の茶碗」が面白いのは、
・起承転結がとてもハッキリしている。
・主人公が一生懸命コミュニケーションをとろうと頑張る。
・ハッピーエンドである。
という点。

主人公はクズ屋さんです。

当時は身分が低かったクズ屋さんが武士の間を駆けずり回ってみんなを幸せにします。この噺を聴き終わっていい気持ちにさせてくれるのは、単にハッピーエンドだからという訳ではない様に思います。

人と人とのコミュニケーションが問題を解決する、コミュニケーションがハッピーエンドをもたらしてくれるのが爽快なのです。

時に煩わしくなるのが現代社会の人間関係ですが、この噺は「あぁ、人との関わりってほんとはいいものなんだなぁ」と、人間本来のコミュニケーションの素敵さを思い出させてくれます。「井戸の茶碗」是非一度聞いてみてください。

まだ二つ目さんですが、若手の中では古典落語の本格派、入船亭小辰さん・春風亭正太郎さんがおすすめです。
 
最後にひなたの会より落語会情報!
 
・第15回ひなたの会「春風亭昇々、入船亭小辰 二人会」
 14時開演 前売り2500円(当日3000円)
 ローソンLコード82566
 あじびホールにて

 
さらに秋のお買い得!
林家はな平さんの落語を格安でミニ落語会3連発!
 
・9月23日(日) プライム寄席「林家はな平独演会」
 18時開演 1500円 (ワンドリンク付き) 
 福岡市早良区原1-29-26 プライムカフェにて
 
・9月25日(火) 太宰府「白梅落語会」ゲスト林家はな平
 18時半開演 1000円(ワンドリンク付き)
 太宰府参道 喫茶白梅にて
 
・9月26日(水) 第一回杉能舎ほろ酔い落語会「林家はな平、粗忽家勘心 二人会」
 17時開演 木戸銭1500円(ワンドリンク付き)
 福岡市西区元岡 酒蔵杉能舎にて
 
さらにさらに、アタクシ粗忽家勘心も年に一度の独演会を開催いたします。
・10月27日(土) 第三回 粗忽家勘心独演会
 14時開演 1000円
 唐人町商店街にて
 
 
という訳で、今回はここまで、また来月お会いしましょう。
 
粗忽家勘心でした。

粗忽家勘心
福岡市の唐人町を拠点に活動するアマチュア落語グループの内浜落語会に所属。真打ち。
  • ・福岡市 人権落語講師
  • ・福岡市 男女共同参画落語講師
  • ・太宰府市 まほろば市民大学講師
  • ・落語「ひなたの会」主宰
福岡市や、太宰府市・那珂川町・糸島市・大野城市など各地で、古典落語を口演し、人権落語・男女共同参画落語等の口演も多数
H29年より、太宰府市まほろば市民大学の「落語コース」講師。

ひなたの会
http://hinatanokai.petit.cc