くらし こころ、リセット

コミュニケーションの落とし穴

落ち込んだ態度、泣きそうな様子に弱い

 

「部下への指導が難しい」というご相談を、最近よくいただきます。改善の必要性を感じて伝えているのに、暗く落ち込む態度や、泣きそうな顔をされると、こちらが悪いことをしているような気になってしまい、それ以上何か言えなくなってしまうそうなのです。

 

人には、陥りやすいコミュニケーションの落とし穴があります。普段は決して、コミュニケーションが苦手ではなくても、あるタイプの人のある態度に、冷静でいられなくなったり、普段とは違う対応をしてしまったりするのです。

 

例えば、大声で怒鳴られると、思考がストップして声が出なくなる人もいれば、逆にカッとなって反論する人もいるでしょう。何度言っても聞いてない人、のらりくらりしている人に、イライラが収まらなくなる人もいるでしょう。

 

無意識の操作

 

これらは何が起きているかと言うと、相手の無意識の「操作」の落とし穴に入ってしまい、自分も反応して真っすぐなコミュニケーションができず、もつれが起きてしまっているのです。落とし穴に入ってしまっている状態です。

 

クライエントのRさんの話です。数年前、ある仕事のプロジェクトがうまく進んでいないため、グループで話し合いの場を設けた時のこと。このままでは目標を達成しないから、みんな各自努力していこうという内容を伝えていると、新人女性のAさんが明らかに暗く苦しそうな表情をしてしゃべりません。声をかけると、皆の声が聞こえないほど動揺していて、この仕事に積極的に関わることが難しいと、声を震わせて言うのです。

 

 さて、あなただったら、どのような対応をするでしょうか。

 

    無理しなくて大丈夫よと、休憩を促し、かいがいしく世話をする。

    Aさんの仕事の分担を減らし、その分、自分が担当する。

    甘えていてはダメでしょ!逃げてどうするの?と、叱咤激励する。

    ここで乗り越えて成長していくべきではないのかと、正論で説く

 

対応の仕方で、相手も変わる

 

Aさんはこのパターンをよく繰り返しているらしく、Rさんは常に、①と②の対応を続けていました。Aさんは、いかにも弱々しく繊細なので、Rさんは、つい母心のように世話をしてしまうのです。「Aさんの心や身体の調子が悪くなったらどうしよう、と思ってしまうのです」。これが、自分の弱いパターン、落とし穴に入っている状態です。
 

確かに、①②の対応は、Aさんの心や身体の状態を悪化させることなく、守ってあげられますが、弱者のポジションのまま、成長の機会を「回避」する手伝いをしてしまう可能性もあります。自分が相手の分の仕事を背負ったなら、尚更です。無理がたたり、Rさんのほうが体調を崩すリスクも出てきます。かといって、③④で対応すると、Aさんは会社に出てこなくなるかもしれません。

 

Aさん本人も、こういう場合、自分に何が起きているのか気づいていないことが多いので、それを丁寧に対話しながら細かく確認していくことを提案してみました。大事なのは、Rさんの伝え方がフラットで真っすぐであること。とがめや説教的、おどおどする、なだめるなどの口調や言い方は、さらに「回避」の方向に向かわせてしまうからです。

 

ぶれずに心を向けて、Aさんの気持ちを聴いていくと、次第に落ち着きを取り戻していったそうです。そして、真っすぐなコミュニケーションを心がけていくと、Aさんの取り組む姿勢は前向きになっていったと言います。

 

自分のコミュニケーション癖や操作に気づく

 

コミュニケーシにおける操作は回避の他にも多彩にあります。これらは誰もが無意識にやっています。自分や周りがどんなコミュニケーション癖があるのか、陥りやすい落とし穴はどこかわかっていくと、冷静に対応していけるようになると思います。癖で、つい落とし穴に入ってしまうこともあるでしょうが、気づけるようになれば、途中でコミュニケーション方法をSTOPすることも修正することもできるのです。

 

つい、反応し合って、引っかかり、からまり合い、もつれ合ってしまうことが多い身近な人とのコミュニケーション。気づいた人から、もつれた糸をほどいてみませんか。

 

 

松井美由紀
セラピールームココアップ代表


母親のうつ病やきつかった子育て体験をもとに、お母さんたちの心のサポートを目指して「ココリセセラピー」を2009年に設立。個人カウンセリングや子育て心理講座を北九州市小倉北区で定期開催し、教育関連の出張講座やコラム執筆もおこなう。
2018年、お母さんたちだけではなく、働く女性などの幅広いサポートや、さらにお役に立てるセラピーを目指し、ココアップに屋号を改名。現在は、ゲシュタルトセラピスト養成のIPG北九州支部の事務局も担当している。

ココアップHP https://www.cocoup.jp/


最新講座情報
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家庭や仕事場で、コミュニケーションが上手くいかないとき何が起きているのか。「操作」について知っていく、日常に役立つ体験型ワークショップです。

 

2Daysワークショップ

日程:929日(土)13時~19
         9
30日(日)10時~17時(うち1時間ランチタイムあり)

参加費:2日間10,000円(税込み)
    1日のみ6,000円(税込み)
    2日間のプログラムですので、両日参加がおすすめです
    お支払は初日受付にてお願い致します。
会場:IPG北九州セラピールーム 
住所:福岡県北九州市小倉北区片野 (詳細はお申込み後にご案内します)
ファシリテーター:ゲシュタルトセラピーIPG北九州支部
         松井美由紀、伊藤紀子、上射場えみこ、山上恭子

詳細お問合せ、お申し込み
https://www.kokuchpro.com/event/bc5c7def57fdd23373faae2edc601b8c/